1Qは投入新型車好調が増益を牽引するポジティブな決算
「環境」と「スモール」への集中
二輪車で世界シェアトップ。四輪車では他社との提携に距離を置く数少ない企業で、高いブランド力と強固な顧客基盤を築く。ハイブリッド車や燃料電池車、人間ロボット、航空機などの開発で独自色を出す。北米売上が全体の5割弱を占め収益の柱。売上構成(15/3期)は二輪14.4%、四輪76.6%で残りが金融サービスと汎用及びその他からなる。 独自技術と自主独立路線が特徴。モータスポーツに積極的に取り組み、技術とブランドを確立してきた。二輪が原点で新興国の二輪市場でブランド浸透とユーザー獲得を図り、その後の経済成長とともに四輪事業でプレゼンスを高めていく基本戦略。エンジンと環境技術に定 評があり、ハイブリッド車や燃料電池車などで先行。また、経営判断の早さや機動性への評価は高く、リーマンショック後、「環境」と「スモール」へ経営資源を集中する。
業績伸び悩みへの過度な懸念後退から評価を引き上げ
7月31日、16/3期1Q(4-6月)決算を発表。営業利益2,392億円は市場予想を上回ったことに加え、1Qの3カ間で通期計画の35%遂行となりサプライズとなった。週明け株価は急騰。 今回の決算では小型SUV「HR-V(日本名ヴェゼル)」販売好調などによる売上変動構成差の改善が増益を牽引した、タカタ(7312)製エアバックのリコール問題関連で数百億円規模の品質関連費用を計上したとみられるが、それでも2桁の増益を確保したこと、などがポジティブ。 モデルサイクルが底にある中、品質関連費用の増などが重なり、業績は伸びあぐねたが、 1)1Qが業績のターニングポイントになった公算が大きい、 2)主要北米での足下での投入新型車の販売好調から新型「シビック」投入が予定される後半の業績に期待が持てる、 3)為替や品質関連が不透明から会社は計画を据え置いたが計画上ぶれが見込める、 4)株価急騰にも関わらず指標面(16/3期TIW予想PER13.0倍、実績PBR1.06倍)が割安、 などから底堅い株価展開が予想される。
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