富士フイルムホールディングス 概況および業績について
【総論】コア事業をフィルムから医薬・医療を核とした総合化学メーカーへ転換。株主重視政策も重視、2018年3月にはROE8%、営業利益率10%を目指す。キャシュフロー潤沢で、配当と自社株買い2000億円を株主還元。
【会社概要】 2014年度に2016年までの3年間の中期経営計画「VISION2016」を策定。 医療・医薬を核としたヘルスケア部門、特にバイオ部門では再生医療を手掛けるジャパン・テッシュ・エンジニアリングを傘下に、又、IPS細胞製造大手の米国CDI社を買収した。大容量記憶ディスクなどの高機能材料、富士ゼロックスを核としたドキュメント以上の3部門で成長を計画。 2016年度、売上高2兆6300億円、営業利益は過去最高の2200億円を目指す。自社株買いと配当で2000億円を投入、2016年度のROEを2013年度4.2%から7%を目指す。 更に2018年度にはROE8%、営業利益率10%を目指す。
【業績動向】 2015年3月期は売上高2兆4926億円、営業利益1723億円、純利益1185億円、1株利益245.9円となった。 今期見通しは 売上高2兆5800億円、営業利益1900億円、純利益1200億円、1株利益248.85円を想定する。
2016年度第1四半期業績から見ると、イメージング・ソリューション部門849億円(前4半期+7.4%)、インフォメーション部門2181億円(同+6.5%)、ドキュメント部門(同+4.9%)、売上高合計5909億円、営業利益362億円と好調。 フォト部門ではインスタントカメラ「チェキ」が好調。 インフォメーション部門のメディカル機器では、医療ITシステム、内視鏡などが堅調に推移した。 医薬品部門ではバイオ医薬品の受託製造が堅調だった。ドキュメント部門では、ゼロックスの売上が堅調、2879億円(4.9%増加)となった。
前提為替レート円ドル121円、ユーロ134円だった。
第14半期から見れば今期業績はやや控えめと言えよう。今期営業利益は、2000億円強を予想する。 2000億円にも上る自社株買いと配当の株主還元策も強く、いずれ株価も史上最高値を達成するものと想定する。