1Qは欧州や中国で好調を持続。株価の見通しは従来通り
総合サプライヤーである点が強み
1968年東亜特殊電機(現TOA、6809)の製造する血球計数機器(63年国内初の自動血球計数装置の実用化に成功)の販売会社として設立。検体検査領域では世界上位10社にランクイン、中でも血球計数領域では世界首位(推定シェア40%)を誇る。中長期ではライフサイエンス分野を将来成長の牽引役と位置づけ、第一弾として乳がんリンパ節転移迅速診断装置を既に商品化。更に大腸がんへの適用拡大にも成功し、他の領域へも拡大を目指す。
2015/3期は売上の32.3%が検体検査機器、残りの67.7%が試薬や保守・サービスなどで、景気動向に左右されにくい安定した収益構造を築いている。血球計数を含めた検体検査装置は典型的なストックビジネスであり、病院(或いは検査施設など)に機器を一旦設置すれば、後は消耗品で収益性の非常に高い試薬や定期的に必要な保守・サービスの提供で安定的に儲かる仕組みだ。同社は大病院から開業医向けまで大型高機能製品からコンパクト製品まで幅広い機器を揃えていることに加え、試薬、ソフトウェアなど検体検査に関わるサービスを、強力なサポート力を武器にトータルで提供できる総合サプライヤーである点が強みといえる。
「ニュートラル」の見通しを維持
円安も追い風となる中で業績は順調に推移しており、主力の血球計数分野では高収益の試薬が安定拡大していることに加え、血球計数以外でも将来成長に向けた取り組みを加速。現在の株価に割安感は見られない。TIWでは「ニュートラル」の見通しを据え置く。検体検査の総合サプライヤーとしてのプレゼンスを着実に高め、今後も中期的に高成長を継続できるマネジメント能力に対する高い評価は不変。
アナリストが書いた詳しいレポートはこちら*有料会員の方はご覧いただけます。