医療消耗品市場で活躍するマニーのビジネスモデル
ユーザーからの高い評価を受ける品質が強み
1959年手術用縫合針の製造販売を行う松谷製作所として設立。61年世界で初めてステンレス製アイド縫合針の製造に成功した。67年にはアイレス縫合針(手術場で針を取り付けるアイド縫合針に対しこちらは工場で糸を付けて滅菌して出荷)、80年には歯科用の治療器具であるリーマ・ファイルに参入。90年代以降眼科針付糸や眼科ナイフなど品揃えを拡大。固有技術の蓄積により高い製品競争力を持ち、高品質、使い勝手、安全性等の点からユーザーである医師の高い評価を得ている。 素材にまで遡った材料技術やそれに対する微細加工技術など、固有技術の蓄積と自社開発の加工機により世界最高品質を実現。眼科手術等で使われる針で直径140ミクロン以下の製品を量産できるのは世界でも同社だけとみられる。ニッチの小物医療消耗品市場で製品寿命の長い製品に特化することで、長期にわたって生産技術を向上させ、安定した高収益を享受している。労働集約的な工程をベトナム、ミャンマー、ラオス工場で担当し、高品質と低コスト生産を両立する量産体制を確立、世界100カ国以上に製品を輸出している。
「ニュートラル」の見通しを据え置き
買収により来期の収益性は若干低下する可能性が高いとみるが、シナジーも徐々に表れ、中期的にはプラスに働こう。株価は当面市場平均並みの推移が想定され、「ニュートラル」の見通しを据え置く。同社はニッチながらも高度な技術・高い品質レベルの要求される市場で卓越した競争力やシェアを維持しており、新興市場を中心に中期的な医療関連の需要拡大を取り込めるとの成長シナリオは不変。 ### 4Qは買収影響で収益性が低下する見通し 15/8期3Q累計(9-5月)業績は、売上94億円(前年同期比12%増)、営業利益32億円(同9%増)となり、上期に伸び悩んでいたアイレス針も下期に入って伸長。全体では概ねTIWの想定線での推移と捉えている。通期TIW予想は変更する必要はないと判断し、従来予想を据え置く。4Q(6-8月) には買収したSchütz社の4-6月の収益が反映されるが、のれん償却のため収益性は低下する見通しである。
来期も高い売上成長は継続できそう
来16/8期は買収による上乗せが通年で寄与することから、デンタルで売上が大きく伸びる公算が高いが、サージカルやアイレス針でも1割近い売上成長は維持できると見ている。買収によるのれん償却が利益を圧迫するものの、海外への生産移管の進展による生産コストダウンが支えることで、営業利益率は若干の低下に留めることは可能と予想。
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