企業分析ステップ10-③C/F分析
財務分析と聞くとまずP/L・B/Sが思い浮かぶ人が多いと思いますが、 投資のプロは財務分析の際にC/Fを重視します。 なぜならP/L・B/Sは会計=「意見」であるのに対し、CF(キャッシュフロー)は「事実」の把握であり、企業が何に投資し実際にいくら稼いだかにより正確に迫ることができるからです。
C/Fを見るコツ C/Fを見る時の第一のコツは、「長い期間でみる」ということです。キャッシュフローは1・2年では大きく波打つ為、最低で5年、できれば10年の長期間で動きをみなければなりません。
キャッシュフローは、営業CF・投資CF・財務CFの3つに分けて記述されますが、事業の展望をみるためには、営業CFと投資CFの動きを中心にみてみましょう。財務CFはその2つの調整弁と位置付けるとわかりやすいでしょう。
フリーキャッシュフロー(FCF)とは、営業CFと投資CFを足したもので、これがプラスのときに自由に使えるお金が積み上がる事を意味しています。この推移を確認することは稼ぐ力を見る上では非常に重要です。
以下はキャッシュフローマトリクスといって、縦軸に投資CF、横軸に営業CFをとったものです。右上にいくほどFCFが増えることを意味します。このマトリクスは投資期・安定期・停滞期・低迷期・後退期・破綻期に領域が分かれており、どこに位置するかを見ることで、投資段階なのか、回収段階なのかといったいわば企業の健康状態が分かるようになっています。過去の動きや現在の状態を追い、その変化を見ていきましょう。
(例)Valuation Matrixのキャッシュフローマトリクス&C/Fグラフ機能