富士重工業の分析
企業価値の再構築及び向上を着実に進める
戦前の中島飛行機が前身。独自技術の水平対向エンジンと四輪駆動車に注力し差別化を図る。自動車部門(15/3期の売上高比率94.5%)、航空宇宙部門(同4.5%)、産業機器部門、その他の4部門の事業を行い、各部門で独立採算制をとる。2005年に米国GM社との資本・業務提携を解消し、トヨタ自動車(7203、以下トヨタ)と業務提携した。その後、トヨタの出資拡大などを受け、足元ではトヨタグループとの協業促進を図る。 「存在感と魅力ある企業」を掲げる。世界市場に照準を当てグローバルの視点での商品開発、コスト構築、トヨタとのシナジーを追求することで高収益企業を目指す。こうした流れを受けた「フォレスター」、「レガシィ」、「インプレッサ」の販売は好調で、企業価値の再構築及び向上を着実に進めている。国内販売では軽自動車の開発、生産から撤退し、ダイハツ工業(7262)からのOEM供給に切り替えた。また、環境対応では電気自動車や水平対向エンジン及び同エンジン搭載車の燃費改善、などに注力する。
増益基調、高収益持続見込みの中、割安感が強い
16/3期1Q(4-6月)は連結販売台数、売上高、各段階利益がともに過去最高となり、順調に発進。1Qは為替変動による増益効果が仮になくても、増益を確保している点が評価できよう。通期では会社計画以上の増益が見込める。 中期的な成長へ向け、①北米以外の市場の育成(育成を図る中国やロシアで足下は苦戦)、②供給力の一段の強化、などの課題はあるが、生産面での巧みなやり繰りや商品力を背景とした主要北米市場でのシェア増、構成改善により当面は増益基調、高収益持続が見込める。 さらに指標面も割安(16/3期TIW予想PER9.7倍)であることから、買いであると評価される。
アナリストが書いた詳しいレポートはこちら*有料会員の方はご覧いただけます。