世界シェアNo.1の椿本チエイン
技術的優位性を背景にシェアを拡大
チェーン(15/3期売上構成31%)、精機(同11%)、自動車部品(同34%)のパワトラ関連3事業とマテハン事業(同23%)が柱。その他(同1.5%)。動力伝達用ドライブチェーンで世界シェアNo1を誇る。自動車部品では自動車エンジンのカム駆動軸に使われるタイミングドライブシステムが「ベルト」から「チェーン」へシフトする中、耐久性、軽量化、静音化、などの技術的優位性を背景にシェアを拡大し、米ボルグワーナー社と世界シェアを争う。マテハン事業では仕分けシステムや搬送システムを手掛け、自動車、IT、工作機械、新聞、食品など多くの業界を対象とする。 自転車用チェーン製造に始まり1928年から機械用チェーンの製造に専念。「パワートランスミッション」と「マテリアルハンドリング」の技術力を駆使して様々な機械部品、システムを製造販売する。グローバル市場での競争優位を確立すべく各事業グループ毎に経営資源を結集し全体最適(最適地生産、最適地調達、最適地販売)を目指すグローバル・ベスト戦略を推進。取引先は多岐に亘るが、自動車や工作機械業界向けなどの比重が高い。近年は国内設備投資が低迷する中、独・カーベルシュレップ社(ケーブルベア)買収、12年度の米メイフラングループ(チップ&スクラップコンベア)事業買収など、M&Aにより自動車部品以外のグローバル展開を進める。
収益向上余地大きく、投資評価は「買い」を継続
5月18日、15/3期決算説明会が開催された。15/3期は全事業が増収増益、計画を上回る増益で着地し、年間配当予想を上方修正した、などがポジティブ。自動車部品やチェーン事業を中心に一段の競争力強化に向け高水準の投資を見込む16/3期会社計画は踊り場を迎える想定である。しかし、従来どおり保守的で計画以上の増益となる公算が大きいこと、自動車部品を中心に中期的に収益向上のモメンタムが強いとの見方に変化はないこと、16/3期TIW予想ROE10.91%・予想PER11.9倍と指標面が割安である、などから投資評価は「買い」評価を継続。 利益貢献で半分以上の自動車部品事業の15/3期営業利益率は17.8%(14/3期が16.7%)。タイミングドライブシステムでの高い競争力が背景。ある程度先が見える自動車部品は拠点、国内外メーカーを問わず受注が豊富で中期的に高収益が見込める。こうした中、チェーン、精機、マテハン事業も国内製造拠点の体質強化やM&Aも交えた海外開拓などにより収益改善基調が続く公算が大きいと考える。
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