ATが牽引、数量増による増益局面に入るが、目先は中国市場の動向を警戒
専門事業に特化させることで収益の拡大を図る
1949年設立。世界トップクラスの自動車部品メーカー。トヨタ自動車(7203、以下トヨタ)系列。トヨタグループ向けが売上の2/3に上る。主力のトランスミッションなどドライブトレイン関連が売上の4割強を占め、他はブレーキ及びシャシー関連約2割、ボディ関連2割弱、エンジン関連約1割、情報関連他と幅広い製品を取り扱う。乗用車用から商用車用、産業車両用までとトランスミッションの品揃えは業界一でAT(自動変速機)、MT(手動変速機)ともに世界トップシェアを誇る。 成長分野を分社化。専門技術、事業に特化し、専門メーカーとして成長させることで収益の拡大を図っている。主要子会社の中では、乗用車用AT、ハイブリッドシステム、ナビゲーションなどを手掛けるアイシン・エイ・ダブリュ(株)の業績がVW(フォルクスワーゲン)向けなどへの拡販もあり近年堅調。自動車部品での技術やノウハウに独自技術を加え、快適な暮らしを提供する住生活関連事業や、省資源と高効率を追求した製品を提供するエネルギー関連事業などにも注力。
株価は好材料を織り込み妥当な水準と考える
投資評価を中立に引き下げる。4月末の15/3期決算発表後の株価急騰とその後の堅調な株価展開の中で、 1)16/3期は増益、営業過去最高益の見込み 2)増配予想 3)トヨタ自動車(7203、以下トヨタ)外への拡販の進展、 などの好材料が織り込まれ、株価は一旦は妥当な水準まで上昇したと見るためだ。 16/3期は中国市場における欧州完成車メーカーからのAT受注増が増益を牽引する想定。こうした中、TIWでは影響は限定的と見るものの、鈍化傾向にある中国自動車市場の動向に不透明感が強いことが足下、株価の重石になっていると考える。 今後の株価のポイントは中国でのAT出荷状況と見ており、1Q(4-6月)決算で市場動向と同社の出荷状況を確認したい。