海外が多少減速しても16/3期は営業過去最高益更新が可能と見る
アジアの自動車用・二輪車用電池市場でシェアトップ
日本電池とユアサコーポレーションが2004年4月に経営統合した持株会社である。自動車電池(新車用、補修用)、産業電池・電源装置を主力に照明装置などの事業も展開する。アジアの自動車用・二輪車用電池市場でシェアトップを誇る。 自動車電池は自動車と二輪車の生産動向や補修用需要動向、産業電池・電源装置はフォークリフト生産動向や設備投資動向の影響を受ける。また、期間損益には原料の鉛価格変動と売価反映の状況が大きく影響する。中期的にアジア市場と車載用リチウムイオン電池が収益の牽引役として期待される。車載用リチウムイオン電池事業については、三菱商事(8058)及び三菱自動車(7211)との合弁会社リチウムエナジージャパン(LEJ)が2009年6月から量産を開始し、ホンダ(7267)との合弁会社ブルーエナジー(BEC)が2010年秋に稼働している。
投資評価は中立を維持
1)主力国内鉛電池の足下の販売低迷、 2)中国景気減速による海外事業の悪化懸念 などが株価の重石。とはいえ 1)新分野のリチウムイオン電池事業で体質改善が顕著 2)営業過去最高益を見込む16/3期会社計画達成は可能と考える 3)17/3期以降も増益基調が見込まれる 4)株価下落で株価に割安感(16/3期TIW予想ROE7.64%に対し実績PBRは1.17倍) などが株価を支えると見るため、中立を維持。先ずは想定どおり後半国内鉛電池が上向くか否か、車載用リチウムイオン電池の主要取引先で新型車販売が計画どおりに進むか否か、などが重要なポイントとして注目される。 来期以降増益基調持続を見込む背景はアイドリングストップ車(ISS車)用電池など高付加価値製品の拡大(今1Qは補修用で比重増が顕著に現れた)、進出地域の車両保有増や拡販による海外事業の収益拡大、数量増と体質強化に伴うリチウムイオン電池の収益向上、などの想定による。