カテーテルでも着実に存在感がアップ。株価の見方も不変
4つのコア技術が競争力の源泉
1976年極細ステンレスワイヤーロープ製造のため創業した朝日ミニロープを前身とする。91年には産業用ワイヤの製造で培った技術を医療用に転用、直径0.35mmのPTCA(経皮的冠動脈形成術)ガイドワイヤを開発、業界で高い評価を受ける。PTCAの治療用ガイドワイヤでは国内シェアが65%まで高まっている(2014年)。競争力の源泉は、伸線(強度・線径コントロール)・ワイヤフォーミング(髪の毛の数分の1というミクロンレベルの成形)・トルク(回転追髄性)・樹脂コーティングという4つのコア技術である。 素材から製品までの一貫生産体制が強みで、生産は主にタイとベトナムの量産拠点で行われている。国内市場からグローバル市場への地域的な拡大、循環器系から末梢血管系・腹部血管系・脳血管系への患部領域の拡がりが中期的な収益成長を牽引する。2015/6期の売上構成は、医療機器の自社ブランド製品やOEM製品のメディカル事業83%、医療機器と産業機器の部材を扱うデバイス事業17%。海外売上比率は54%(2015/6期)。
投資評価は「アウトパフォーム」の見通しを据え置き
主力の循環器では既存製品に加え新製品の拡充が実を結んでいる他、末梢血管系など非循環器の領域へも着実に拡がっており、今後も好調を持続できる公算が高い。現在の株価に指標面からの割安感は見られないが、引き続き業界平均を大きく上回る収益成長を維持できる可能性が高く、中期的な株価の上昇余地は依然大きいと考えている。よって投資評価は「アウトパフォーム」の見通しを据え置く。