トップラインはやや弱いが、16/3期の利益計画は概ね達成できよう
厳しいコンプライアンス基準に適応してきた総合ハウスメンテナンス会社
1970年創業の白蟻防除をコア事業とする総合ハウスメンテナンス会社。東日本から西日本に事業エリアを拡大中。2003年頃から約6年間続いた悪質リフォーム業者の社会問題化による訪問販売に対するイメージ悪化を受け、同業者の多くが破綻、事業縮小に追い込まれる中、同社は1979年から各地の農協(JA)との提携を進め、農協の厳しいコンプライアンス基準に適応してきたため、この厳しい時期も赤字に陥ることなく乗り切り、11/3期以降、白蟻防除業界最大手に。粗利益率が高く、財務も健全。宗政社長はサニックス(4651)の社長の実兄。 白蟻防除の新規契約の約90%は訪問販売による。訪問販売に対する消費者の忌避感は強いため、180強の農協と提携し、農協の指定業者としての信用力を背景に営業活動を行っている。白蟻防除施工の単価は約18万円で保証期間は薬効期間に合わせ5年。保証期間中、年に1回無償の定期点検を行い、その際、床下等換気システム(木材腐朽菌や白蟻対策になる)や基礎補修・家屋補強などの追加販売を図っている。農協には集金代行を委託しており、施工代金の12~13%を手数料として支払っている(同社の売上高として計上されるのは手数料控除後の金額)。典型的な労働集約型産業で売上高総人件費率は15/3期で45.1%と高い。
株価下落で割安感が再度高まる
前回レポート時から株価は一時1,970円まで約29%上昇したが、株式市場の急落とともに急反落し、いってこいになった。16/3期業績は、トップラインがやや未達でも、費用の想定が保守的なため利益は概ね会社計画線を確保できるとみる。中長期的にも、国策である住宅の長寿命化、中古住宅の流通活性化を背景にした住宅の保全意識の高まりが追い風になると期待されることや、西日本への営業エリアの漸次拡大により、着実な成長が続くとの見方に変わりはない。株価下落により16/3期TIW予想PERは10.8倍と再び割安感が高まっており、投資評価はを継続する。