1Qは4年ぶりに映像が営業黒字化。株価の見方は従来通り
資本増強・本業強化も含め社内革新に取り組む
顕微鏡の国産化を目的に1919年創業した高千穂製作所を前身とする。50年世界初の内視鏡を胃カメラとして商品化に成功、現在も軟性内視鏡は世界シェア70%を誇り、同社最大の収益源でもある。外科分野(低侵襲治療領域)の強化の一環として08年2月英国Gyrus社を買収。 映像分野では当社はDSC(デジタルカメラ)に比較的早い96年から参入し、一時期はトップグループを占めるも競争激化で収益性が悪化。現在は採算重視へ方向転換を図っている。11年には同社が90年台以降、投資に絡む損失計上を先送りしていたことが発覚し、内部管理の甘さが露呈した。現在は資本増強・本業強化も含め社内革新に取り組み、成果が出つつある。 15/3期の売上構成は、映像11%(うちDSC9%)、医療73%(内視鏡41%、外科23%、処置9%)、科学14%、その他2%となっている。高収益の軟性内視鏡で大半の利益を稼ぐ構図は従来から変わらない。内視鏡は5~6年毎に大型新製品への切替がある。医療では、採算性が内視鏡より低い外科・処置具の成長余地が中期的に大きいことから、製品ミックスの観点からはマイナスに働く。
「アウトパフォーム」の見通しを維持
主力の医療は四半期単位で見れば、予算執行の進捗や費用の出方などにより収益性に強弱が出るものの、消化器内視鏡を中心に高い競争力・収益力を維持しており、今後は外科分野などでも先行投資の成果が徐々に現れるものと期待できる。現在の株価に指標面から割安感には乏しいが、成長性を考えれば中期的な上昇余地は依然あると見て、今回も「アウトパフォーム」の見通しを据え置く。