運用・保守サービスが好調。通期業績予想を引き上げ
アジア市場における高いシェアが強み
1915年建築家の横河民輔氏が当時輸入に頼っていた電気計測器の国産化を目的に設立。55年米フォックスボロー社と提携、工業計器の技術を蓄積。63年米HP(ヒューレット・パッカード)社と合弁会社を設立。83年北辰電機と合併、86年社名を横河北辰電機から横河電機に変更。02年安藤電気を完全子会社化、後発ながらテスタ事業強化を図るもIT・通信バブル崩壊による環境悪化が経営を直撃、02/3期には巨額の最終赤字を計上。これを受け従来の家族主義的体質から決別、国内19工場を一気に4拠点に集約するなど大胆な構造改革を断行した。 15/3期の売上構成は、制御(生産制御システム、プロセス分析計など)88%、計測機器(半導体テスタ、一般測定器など)6%、その他(航空機用計器他)6%となっている。75年世界に先駆けてDCS(分散型生産制御システム)を投入、高信頼性、プロジェクトの完遂能力、サポート力など評価され、2000年代には世界市場でプレゼンスが高まった。エネルギー分野などで成長著しいアジア市場において同社は高いシェアを持つ点が強み。課題であった不採算事業への対応では、フォトニクス事業からの撤退、半導体テスタ事業を終息したことなど着実な進捗が見られる。
投資評価は「アウトパフォーム」の見通しを据え置き
原油価格下落の影響は当面注視していく必要はあるが、運用・保守を含めたソリューションサービスでの成長余地が大きい他、世界全体で見ればエネルギー需要の中期的な拡大を背景に関連投資も増えていくトレンド自体に変化はないと考える。現在の株価に特段の割高感は見られず、TIWでは今後の見方も変える必要はないと判断し、「アウトパフォーム」の見通しを今回も据え置く。