増収増益基調は持続しているが中期計画の進捗に出遅れ感
臨床検査薬事業、受託臨床検査事業、ヘルスケア関連事業が三本柱
2005年、臨床検査試薬・機器大手の富士レビオが受託臨床検査会社エスアールエルを子会社化して統合の上、持株会社化。15/3期のセグメント別売上構成は臨床検査薬事業22%、受託臨床検査事業64%、ヘルスケア関連事業14%。10年欧州の臨床検査薬会社イノジェネティックス社(INNX)、11年米病理検査会社カリス・ダイアグノスティクス(現MLS)、13年米病理検査会社プラス・ダイアグノスティクスを買収、15年遺伝子学的検査会社BMGLに60%出資。 (1)臨床検査薬事業は富士レビオを中心に試薬ラインナップの拡充や検査機器の機能向上を図る。海外事業もFDIなどの子会社を通じ腫瘍マーカーなどを販売。 (2)受託臨床検査事業はエスアールエルを中心にラボの再構築、新システム(ナビラボ)の導入新規検査項目(特殊検査など)の事業化、開業医向けサービスの拡大を進める。米市場はカリス買収(MLSへ名称変更)により進出。 (3)ヘルスケア関連事業(治験、滅菌、予防医学)は新規顧客の獲得、事業エリアの拡大、介護関連事業などの新規事業を育成。
遺伝子学的検査を行う米社へ出資
(1)臨床検査薬(売上高の22%) (2)受託臨床検査(同64%) (3)ヘルスケア関連(同14%) が3本柱。売上高は最近実施した内外のM&Aにより成長を持続しているが、利益は国内、海外とも単価下落により伸び悩んでいる。第4次中期計画(15/3期-18/3期)の初年度となる15/3期は小幅増収増益となったものの出遅れ感が強い。15年2月遺伝子学的検査を行うベイラー(BMGL)に60%出資。 TIWは同社のM&A戦略を評価、ここ数年ポジティブに見てきたが、売上、利益が本格的に回復するまでは中立としたい。