営業利益実質横ばいの会社計画は保守的な印象
高度な技術を軸に、新たなシステムの開発を目指す
1953年設立。ホンダ(7267)系列でホンダグループへの売上が7割以上。二輪・四輪車用のブレーキ製品が主で二輪車ブレーキでは世界トップ。二輪車向けではホンダを中心にヤマハ発動機(7272)やハーレーダビッドソンなど主要二輪メーカーと取引を持つ。売上構成は四輪部品、二輪部品、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やVSA(車両挙動安定化制御システム)などのメカトロ、そしてアフターマーケットなどからなり、二輪部品売上が約3割を占める。海外はアジア地域比重が高い。目標とする経営指標はROE10%以上。 アルミ鋳造から加工、組立までの一貫生産が特徴。高度なアルミ鋳造技術とブレーキ技術をベースとする。車両軽量化では材料を鉄からアルミに置き換えたキャリパーやナックルの開発などアルミ部品領域の拡大を追求する。「止まる」だけでなく、「走る・曲がる」の一部も制御する総合ブレーキシステムの提供を目指す。ABSなどメカトロ製品の開発などに注力し、ホンダ外への拡販も進める。
投資評価は前回からの「アウトパフォーム」を維持
15/3期決算は営業利益が計画を大きく上回った点がポジティブ。同会計基準ベースで実質横ばいの16/3期会社営業利益計画には物足りない印象がある。とはいえ、例年どおり保守的な計画で上振れる公算が大きい、今期は伸び悩む見通しとはいえ、付加価値が高く拡販余地が大きいメカトロ製品伸長が中期的に同社の収益向上を牽引するとの見方に変化がない、などに加え、16/3期TIW予想ROE8.61%に対し実績PBRは1.02倍とROEとPBRの相関から指標面にも割安感が強いため投資評価は「アウトパフォーム」を継続。