トヨタ自動車の分析
安全性と品質を最優先した「安全・安心なクルマづくり」に全力で取り組む
世界トップクラスの自動車メーカー。ダイハツ工業(7262)、日野自動車(7205)の子会社化で軽自動車から大型トラックまでのフルライン化を達成。富士重工業(7270)といすゞ自動車(7202)へも資本参加する。近年は北米を中心とした海外市場拡大を取り込み急激に業績を伸ばした。しかし、リーマンショックで急失速、創業家出身の社長のもと弛まぬ原価改善の努力と「もっといいクルマづくり」をもとに復活を遂げた。 1960年代にジャスト・イン・タイム生産を実現する「かんばん方式」を確立。「トヨタ生産システム」に象徴されるように生産性や品質で高い競争力を持つ。技術志向が強く、燃費性能を武器に世界シェアを伸ばした。しかし、海外生産の加速が品質問題に繋がった一面があり、安全性と品質を最優先した「安全・安心なクルマづくり」に全力で取り組み中。ハイブリッド車(HV)で先行。HVのラインアップ拡充とともにバイオ燃料車の開発など環境対応車開発には全方位で当たる。苦戦が目立つ新興国では、小型・低価格の現地専用車の開発・投入により巻き返しを図る。
業績見通しは堅調、指標面には割安感が強い
4日、16/3期1Q(4-6月)決算を公表した。営業利益は1Qとして過去最高も、発表後の株価は軟調である。北米以外の地域での販売台数が減少した影響を、円安効果と原価改善のプラスで補っての増益は想定内の内容である。 発表後の株価は軟調となった原因としては、唯一台数を伸ばした北米の営業利益が品質関連を含む費用増などによりさほど伸びなかったこと、通期販売台数計画5万台上方修正にも関わらず通期営業利益予想が据え置かれたこと、などが嫌気されたとみられる。
しかし、 1)今期はそもそも台数が伸びぬ想定だが、それでも高いブランド力や最適・高効率の生産体制などを背景に高収益が見込める 2)通期では保守的な為替前提などから会社想定以上の増益が想定される 3)新興国戦略車新型及び「TNGA」採用の新型車の本格貢献が見込める17/3期は一段の収益拡大が見込める
などの見方に変化はない。以上、堅調な業績見通しを踏まえると指標面(16/3期TIW予想PER10.5倍)に割安感が強く、自社株買いも実施予定の中、株価には何れ上方への見直しが入ると考える。
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