上期は半導体を中心に堅調に推移。株価に対する見方は不変
自動車排ガス測定装置で世界シェア80%を誇る
堀場雅夫氏が1945年創設した堀場無線研究所を前身として、1953年に設立された。1965年より自動車排ガス測定装置を販売開始、同装置で現在約80%の世界シェアを持つ。1990年代半ば以降積極的なM&A策により、エンジン性能測定や医用・分析分野においても業容を拡大してきた。タイプの異なる4つの事業セグメントを持つことで、ある程度ビジネスリスクの分散には寄与したとみられるが、子会社間のシナジー効果の発現はまだ途上である。 2014/12期の売上構成は自動車計測システム36%、環境・プロセスシステム11%、医用システム18%、半導体システム(ガス流量制御に使われるMFC=マスフロー・コントローラーがメイン)19%、科学システム16%。従来は主力の自動車計測が最大の稼ぎ頭であったが、自動車業界の開発投資低迷により収益性は低下し、現在改善の途上にある。分析(科学・環境)や医用の収益は比較的安定推移している。一方、半導体は市況に左右され収益のブレが大きいものの、好調時には20%を超える営業利益率を上げ全体にも貢献。
投資評価は「ニュートラル」の見通しを据え置き
自動車の開発支援を手掛ける会社を買収し、事業領域を積極的に広げる姿勢は評価できる。一方、足元の業績は半導体が上乗せを牽引しており、半導体の収益モメンタムも一巡してくる可能性を考慮すれば、来期以降は半導体のピークアウトを他部門でどれだけカバーできるかが鍵を握ろう。 現在の株価に指標面からの割高感は見られない。TIWでは株価の見方を変える必要はないと判断し、「ニュートラル」の見通しを今回も据え置く。