スニーカー好調で大幅増収もナショナルブランド売上構成比増で微増益に
スニーカー引き続き好調で大幅増収もナショナルブランド売上構成比増で微増益に
16/2期1Q業績は、売上高634億円(前年同期比+12.0%)と大幅増収。スニーカーを中心としたスポーツシューズの売上高は同+18.2%と引き続き好調。3月は消費増税の駆込み需要の反動減で国内既存店売上高は前期同月比-6.2%と落ち込んだが、4月は同+9.0%、5月は同+10.0%と回復、1Q期間の国内既存店売上高は前年同期比+4.2%。店舗数は純増25店舗となり、国内売上高は同+7.4%、海外が29.3%増。出退店の内訳は、国内出店25閉店2、韓国出店3閉店1、台湾出店1閉店1。1Q末の店舗数は1,000店舗。 利益面では、ナショナルブランド(NB)スニーカーの売上構成比上昇と韓国での粗利益率低下などで営業利益率は20.9%(前年同期23.2%)と低下。営業利益は132億円(前年同期比1.0%)、純利益79億円(同1.0%)と微増益。
利益率の高い自社製品が強み
1985年、靴及び衣料品の輸入販売商社として創業。靴小売売チェーン「ABC-Mart」を全国展 開する。靴販売業界で国内2位。1997年に現社名に商号変更。2000年、株式を店頭登録。 2002年に東京証券取引所第1部に指定替え。総資産2,336億円(2015年2月期末)。 国内のシューズ専門店チェーンで売上高1位。競合他社には「東京靴流通センター」のチヨダ(8185.東証1部)や、イオン子会社のジーフット(2686.名証2部)などがある。ABCマートのビジネスモデルの特徴は、Nikeやadidasなど主要なナショナルブランドの仕入販売に加え、ビジネスシューズの英「Hawkins」やスポーツスニー カーの米「VANS」の商標権を買い取り当該ブランドでSPA(製造小売)ビジネスを展開する点にある。またレディースでは自社オリジナルブランド「NUOVO」を展開している。自社製品は接客で得たお客様の声を反映しやすく、また利益率が高いという強みがある。 国内における自社ブランドの売上高比率は46.5%(15年2月期)で、このビジネスモデルにより競合他社より高い利益率を実現できている。15年度の営業利益率を比較すると、エービーシー・マートは18.6%(国内事業は22.7%)で、競合他社であるチヨダの5.4%、ジーフットの5.3%に比べて相当高い利益率を実現している。 国内の店舗数は784店(15年2月時点)で、この5年間で277店舗増と着実に店舗数を増やしており、会社は全国1,200店舗の出店を目標にしている。出店先は主要都心部への出店が多く、内訳はショッピングセンター(46%)、商業ビル(13%)、路面店(10%)。郊外への出店も積極的に進めておりロードサイドの店舗比率は12%。 また海外展開を行っており、海外売上高比率は25%、海外営業利益構成率は8%、海外事業の営業利益率は6.5%。国別内訳は、韓国159店、台湾28店、アメリカ4店舗と韓国の割合が多い(14年12月時点)。またアメリカは2012年に公開買付で買収したLacross Footware社をベースに強化中。