新興国の販売環境が厳しいが北米販売が想定以上に堅調
業界に先駆けた商品展開を実施
国内2位のタイヤメーカー。1999年に米グッドイヤーと提携。2003年7月にオーツタイヤと合併。国内ではダンロップ、ファルケンブランドの販売を行う。なお、グッドイヤーとの資本業務提携は諸環境の変化により本年6月の合意で解消へ。ゴルフクラブなどのスポーツ事業とOA機器用精密ゴム製品などの産業品事業は分社化。2006年には連結子会社ダンロップスポーツ(7825)が東証一部に上場。近年、中国、ブラジル、南アフリカ、トルコなどの新興国で生産拠点新設、供給力拡大を急速に進め、低かった海外売上高比率は6割弱へ上昇。 米グッドイヤーとの提携により、欧米でダンロップブランドはグッドイヤーが、国内で同社が販売を担当。アジアなどの地域はグッドイヤーと同社がそれぞれ独自展開を図る。しかし、提携解消により海外戦略の再構築を今後図る。「低燃費タイヤ」の開発で先行。ダンロップブランドの国内市販用夏タイヤの大半をタイヤラベリング制度の「低燃費タイヤ」に該当するよう開発し、サイズ数において業界に先駆けた商品展開を行う。また、海外では欧州、ロシア、中近東、中南米などで自前の販売網を整備、成長地域の需要取り込みを図る。
投資評価は中立を維持、強弱材料が交差し動きづらい
8月5日、15/12期上期(1-6月)決算を発表。1)営業利益は計画に届かず、タイヤ4社の中では唯一減益となった、2)生産拠点新設などにより近年急激に生産能力拡大を図ってきた新興国地域(特に中国、ブラジル、トルコなど)の政情や景気の先行きに不透明感が強いこと、などが当面株価の重石となろう。とはいえ、 1)原材料安効果の拡大により15/12期通期では微増益だが増益が見込める 2)相対的に比重が低いとはいえ、北米市販用タイヤの販売好調が顕著である 3)その北米ではグッドイヤーとの提携解消により、事業展開の自由度が増すことで中期的にシェア拡大の可能性が高まる 4)悪材料を織り込み株価指標面(15/12期TIW予想PER8.3倍)に割安感が強い などが株価を支えると考えるため、中立を維持
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