後発医薬品の使用促進策が浸透
国内では生産増強・全国的販路確保、海外は北米、東南アジアでの展開を図る。
本邦のジェネリック医薬品(後発医薬品)専業メーカーでは 売上高で沢井製薬(4555)、東和薬品(4553)を上回り最大手だがテバファーマスーティカルズなど外資系企業の追撃も激しい。販売は卸ルートが8割強。 10年5月、サノフィ・アベンティスグループ(SA)が発行済株式の4.66%を出資し戦略的提携を締結、SA製品(オーソライズド・ジェネリックス)を販売。14年4月アステラス製薬(4503)の富士工場を事業承継。
ジェネリック医薬品は特許が満了した新薬(先発品)と同じ有効成分の製品。厚生労働省から新薬同様に複数の用量規格の取揃えと最低5年の安定供給を要請されている。同業は殆ど同一品目を販売するため品揃えと販売体制が差別化のポイント。同社はSA等からの製品導入、富山工場の増設(ペンタゴン棟、ハニカム棟、ピラミッド棟、高薬理製造棟)、静岡工場(旧アステラス富士工場)の設備更新などにより生産を増強する方針。販売は4大広域卸により全国的販路を確保、海外は北米、東南アジアでの展開を図る。
中長期的に後発医薬品の需要拡大
政府は後発医薬品(ジェネリック医薬品)使用促進のため新たな指針(ロードマップ)を提示、その中で後発品の数量シェアを18年3月末までに60%以上とする目標を設定した。 この指針下での2期目の15/3期は、14年4月実施の薬価改定の影響を受けたものの政府の後発医薬品使用促進策が浸透、業績は同業各社も含め大幅に好転した。この趨勢は後発品シェアを80%へ引上げようとする動きもあり、あと3~4年は続くと予想される。このため製品の品揃えと増産、バイオ後発品など新製品の開発が重要課題だが、同社は大手外資との提携、工場増設などにより、その基盤が整いつつある。 投資評価は中長期的な業績拡大を見据え2+を継続。