軽シェアトップのダイハツ工業を分析
スモールカー領域おいてリーダーシップを発揮
1907年創立。1967年にトヨタ自動車と業務提携を開始した。トヨタ陣営で小型車部門を受け持つ。軽自動車を柱とした低価格、低燃費な商品の開発、生産に経営資源を集中。トヨタから生産委託を受けている他、OEM車の納入も行う。 国内比重が高いが、インドネシア、マレーシアで海外生産を行い海外事業拡大に注力する。また、トヨタと富士重工業との2008年4月の業務提携強化により富士重工業向けに軽自動車のOEM供給を開始した。
国内では軽シェアトップを維持しつつ収益力向上を目指す。一方、海外は主力市場インドネシア、マレーシアを軸に将来成長へ向け経営基盤の強化を図る。「小さいクルマ」への注目の高まりと競合環境激化はチャンスであり、リスクでもあると捉え低コストのクルマづくりに相応しい企業体質への改革を強力に推進する。グループ全体でのシンプル・スリム・コンパクト(SSC)活動浸透により軽自動車で事業が成立する経営基盤確立を図る。「タント」ヒットに象徴されるように商品力は高く、スモールカー領域おいて、品質、価格、燃費性能を強みとした商品投入を継続する。
投資評価は若干の下方修正
16/3期1Q(4-6月)は主に国内悪化により大幅営業減益となり厳しいスタートになった。 1)今期は当初より国内軽販売は悪化の会社計画だが、増税影響及び前年の反動は想定以上に厳しい印象。新型車投入により巻き返しを図るとはいえ、通期で630千台(前年同期比8.3%減)の軽販売目標達 成はチャレンジングとみる。 2)頼みの海外も主要インドネシアは市場低迷が長期化しており回復の兆しがない。一方、マレーシアは景気悪化、通貨安などから新型車が好調とはいえ、収益環境が悪化している。 これらを踏まえ、今般、通期予想は会社計画下ぶれ方向に下方修正される。割安な指標面(16/3期TIW予想ROE8.74%に対し実績PBR1.19倍)が株価を支えるが、国内外、トヨタ自動車(7203)向けビジネスと同社を取り巻く環境はどれも厳しく、当面業績伸び悩みが想定されるため投資評価を引き下げる。
アナリストが書いた詳しいレポートはこちら*有料会員の方はご覧いただけます。