計測が国内外で好調で推移。株価の見方は従来通り
成長が見込まれる中国での体制強化を進める計測・分析機器メーカー
1875年創業の計測・分析機器メーカー。初代島津源蔵氏が教育理化学器械製造の業を起こしたことが始まり。1909年には日本初の医療用X線装置を完成。17年蓄電池部門を分離、日本電池(現ジーエス・ユアサコーポレーション、6674)を設立。56年には国産初のガスクロマトグラフ(食品や薬品の検査装置)を開発。2002年研究員の田中耕一氏がノーベル化学賞受賞、同社の知名度向上に貢献。今後成長の期待される中国では、ボリュームゾーン製品を現地で設計、生産、販売する体制の強化を進めている。 2015/3期の売上構成は、計測機器が61%(クロマトグラフ等の汎用分析機器39%、表面分析機器3%、環境分析機器3%、試験機・非破壊検査機器6%、他10%)、医用機器19%、航空機器8%、産業機器10%、その他2%。採算性の高いクロマトグラフを中心とした計測機器が利益の大半を稼いでいる。計測機器では消耗品や部品販売、保守・サービスなどのアフターマーケットでの事業拡大を目指す。航空機器は防衛庁向け補修ビジネスが多く、産業機器ではフォークリフト向け油圧ポンプ、ターボ分子ポンプ、太陽電池成膜装置などを手掛ける。
投資評価は「ニュートラル」の見通しを据え置き
現在株価は、2,000円前後の上場来高値圏付近で推移。好材料は概ね株価に織り込まれたとTIWでは見ている。業績懸念は少ないものの、短期的に株価の上昇余地にも乏しいと判断し、「ニュートラル」の見通しを今回も据え置く。先進国の需要に加え、中国など新興市場でも環境・安全分野などで関連機器の需要が同社の今後の収益成長を支える、とする同社への中期的な見方は不変。