東海理化のビジネスモデル分析
操作技術、制御装置に強みを持つ自動車部品メーカー
1948年設立のトヨタ自動車(7203、以下トヨタ)系部品メーカー。トヨタが筆頭、デンソー(6902)が第2位の株主。売上の8割弱がトヨタグループ向け。(1)人の意思を伝えるヒューマン・インターフェイスシステム、(2)セキュリティシステム、(3)セイフティシステムの3つの製品ラインからなる。スイッチ類(売上構成4割弱)、キーロック(同2割 弱)、シートベルト(同2割弱)が主力製品で国内で高いシェアを誇る。
ニッチだが一品毎に必ず必要となるスイッチ加工製造をベースにキーロック、シートベルトなどへ展開を図ってきた。マイクロエレクトロニクス、マグネシウム加工技術、評価技術などの要素技術をもとに「運転席に座って手の届く」範囲の操作技術、制御装置を得意とする。また、自動車の電子化、メカトロニクス化に対応した高機能製品及びシステムの開発などに 積極的に取り組み、ステアリングスイッチ、スマートエントリー&スタートシステム、イモビライザーシステム、など容易、安心、安全に係る製品を多数手掛ける。
株価は堅調だがまだ割安圏、投資評価は「買い」を維持
5月15日、15/3期決算説明会を開催。15/3期は日本及び主要タイが悪化し先行投資が嵩む中、会社予想は営業段階減益であっ たが、計画を上回る増益での着地となり、年間配当予想を引き上げたことなどがポジティブ。 また、 (1)取扱い製品の全てがリコールに繫がり易い製品を取り扱う中でトヨタ自動車(7203、以下トヨタ)外への拡販が順調 (2)トヨタグループ内では相対的に高い利益水準の維持 (3)トヨタが弱い地域を含め全ての地域セグメントで黒字の確保 (4)品質関連費用の減少傾向、 などが確認できたことが評価できる。加えて、16/3期は会社計画以上の増益を見込む、16/3期TIW予想ROE9.69%に対し実績PBR1.20倍と株価指標面も依然割安、などから投資評価は「買い」を維持する。
16/3期は6%営業増益を計画、北米、アジアを伸ばす
16/3期は前期比6%営業増益を会社は計画。日本は伸び悩むものの、市場好調の北米、IMV向けスタートが想定されるアジア などで売上を伸ばす。操業改善、円安効果、原価改善で価格下落や費用増などの減益影響を吸収する。
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