もはや「小売」ではなく、「インバウンド」になりつつある三越伊勢丹HD
今回は、三越伊勢丹HDを取り上げます。 言わずと知れた百貨店売り上げ首位(三越・伊勢丹)の持ち株会社で、旗艦店である伊勢丹新宿店と日本橋三越は全国屈指の売上高です。
表題にもありますが、業種として単純な小売業というより「インバウンド関連銘」、「中国関連銘柄」としての注目度が高くなっています。 今の時点での懸念事項は、地方百貨店の売上動向とインバウンド関連に関わる中国経済の減速懸念がどこまで影響があるかということです。
小売りでよく参考とされる「売上高販売管理費率」は他社より劣っています。その理由は社員教育(人財育成)に重きを起きている為です。個人的には社員、即ち人材を大切にするところの方が、こういった百貨店ブランドを展開する企業にとっては、長期的に見て伸長幅は大きいと考えます。
他社においては、外部委託比率を上げているので、おのずと売上高販売管理費率が低いため利益幅が大きいということになっています。 ですので、利益を上げている観点から見れば競合他社の「Jフロントリテイリング」や「高島屋」の方がいいのです。「Jフロント」は、外部に人員等を委託している傾向が強いです。 「高島屋」は不動産事業で幅を利かせいています。 参考までに、三越伊勢丹HDとJフロントの「P/L」を以下に掲載します。
三越伊勢丹HDのP/L
JフロントのP/L
直感で見ると、「Jフロントの方が良いな」と感じるかと思います。
しかしながら、“百貨店”というところは生活に根付いて商売をするものではなく、訪れる客は接客などのプラスアルファを求めています。ですので、社員教育に意識を持ってくる企業は伸びると信じています。 私事ですが、以前伊勢丹新宿店に初めて訪れた時に、そこにいる店員の意識がとても高いことに驚きを感じました。他の百貨店では見ない、なんというかビシッとしたこれぞ百貨店だという雰囲気を感じました。
また、ここの外国人持ち株比率は24.5%と高めですので海外からも注目度が高いのでしょう。
「インバウンド」という言葉は、マスコミなどが囃し立てておりますが、これは一過性のものではなく、今後は無視できない存在になりつつあると感じています。
勿論、収益を上げにくい地方や外部動向によって業績に影響は出なくもありませんが 今後本格化する外国人観光客に向けて大きくアピールが出来る企業ではないかと思っております。
株価においては、今までは若干買われすぎなところがあった為、今が買い時かという点においては何とも言えませんが、ここ最近は大分売られたところもありますので、割安なところで拾うのもアリかもしれません。
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