ユニクロの背中を追うしまむらの分析
海外展開は慎重も、衣料小売業界で国内2位
1953年、呉服店として設立。1960年代から総合衣料品チェーン化を進める。20~50代の主婦及びその家族向けのカジュアル服チェーン「ファッションセンターしまむら」、ヤングカジュアルを扱う「Avail」、ベビー・子供用品の「バースデイ」等を全国展開。衣料小売業界で国内2位。1988年、東京証券取引所第2部に上場。1991年に同第1部に指定替え。総資産3,316億円(2015年2月期末)。
しまむら(東証1部-8227)カジュアルウェアの仕入販売。郊外、ロードサイドを中心に店舗を展開してきたが、2007年以降、都市部出店を開始。「同一デザイン・同一サイズの特定商品は一店舗に一着」を標榜する程に商品を多品種少量化。物流システムの高度化と共に、バイヤー部門と在庫コントロール部門を分離、仕入れ管理を本社に集中して500社のサプライヤと取引を行うことでこれを可能とした。海外展開には慎重で、台湾進出が1997年、中国進出が2012年。
市場平均を超える株価パフォーマンスを予想
16/2期TIW予想ROE9.38%に対する直近PBR1.56倍のバリュエーションは、市場全体を下回る。賃金上昇が実現する時期に入り、同社業績回復への期待が高まる可能性が高いと見て、株価パフォーマンス予想を一段階引き上げる。
秋冬物不調継続、組織改革などで成長回帰図る会社計画
15/2期通期(14/2/21-15/2/20)業績は、売上高が5,118億円(前期比+2%)の微増収、営業利益が368億円(同-12%)の減益。秋冬物で不調な分野が立ち直れず。在庫処分のための値下げ拡大によって、売上・利益共に低下する結果となった。 16/2期において同社は、組織改革を通じて成長回帰を図る。同時に出店を加速する方針。また、各業態のブランド力向上を図ると共に、新業態の準備を進める。しかし、足下の状況は改善していない。
年度後半に向けて戦略の効果に期待
春夏物については新たなトレンドの発生が見込まれているが、前期(15/2期)に続き、同社がこれに対応できないおそれが考えられる。それでも、外部環境の好影響に加え、年度後半に向けて組織変更等の戦略の効果が出ると期待し、成長回帰と見るTIW業績予想を維持する。
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