中国影響からシール事業を取り巻く環境が厳しさを増す
コア技術の融合と多角化により業績の安定成長
1941年設立の独立系自動車部品メーカー。自動車、建設機械、農業機械、家電向けのシール事業(売上比率4割強)、HDD(ハードディスクドライブ)やデジタルカメラ、スマートフォンなどの電子機器に用いられるフレキシブルプリント基板(FPC)の製造販売を中心とする電子機器部品事業(同5割)がメイン。
FPCは世界シェアトップ。他には事務機器用ロール製品を扱うロール事業、特殊潤滑材のその他事業からなる。シール事業の売上は自動車産業向けが4割強、建設機械を中心とした一般産業向けが2割強、残りは家電向けなど。オイルシールは国内シェア約7割で同社シール製品は日系のほぼ全車両に搭載される。シール事業は日系車の国内外での生産動向に依存する。FPC売上は従来はHDD、携帯電話、デジタルカメラ向けなどが中心であったが、スマートフォンやタブレッド端末台頭により最近はスマートフォン向け比重が増すなど構成は急速に変わりつつある。ロール事業はマルチファンクショナルプリンター向け部品を手掛け国内事務機メーカーが主要顧客。コア技術の融合と多角化により業績の安定成長を図ってきた。
投資評価は前回からの中立を維持>
中国景気悪化による主力シール事業への懸念の高まりが当面株価の重石になるとみる。中国影響を勘案し、TIWの16/3期予想は今般下方修正した。とはいえ 1)営業利益率8%台を見込む今期会社計画の達成は可能とみる 2)株価指標面が割安(16/3期TIW予想ROE9.62%に対し実績PBRは1.22倍) 3)主力2事業ともに中期的な成長余地が大きいこと などが株価を支えるとみるため中立に止める。
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