独立系ブレーキメーカー曙ブレーキについて
欧州、アジアへのグローバル展開と、市場での影響力強化を目指す
1929年1月創業の独立系ブレーキメーカー。現在はトヨタが筆頭株主である。独ロバート・ボッシュ(以下ボッシュ)と提携関係にある。自動車用ブレーキ関連製品を中心に生産しており、主力OEMディスクブレーキパッドの世界シェアは約18%に上る。 自動車に止まらず二輪向けから新幹線のディスクブレーキなど鉄道向け、フォークリフト、農業機械向けにいたるまで幅広い分野に製品を供給する。
国内勢の中ではトヨタ系と日産自動車向けの比重が高い。その一方で、かつてのGMとのジョイントベンチャーの経緯もありGM中心に米系向け比重も高い。地域別売上で北米が2割台後半を占めてきた。しかし、2009年12月末のボッシュからの北米ブレーキ事業譲受により北米売上比重は5割弱となり、米系売上比重も1割強から4割弱まで増加した。譲受事業の収益改善とシナジー創出を課題の一つとする。また、自動車向け製品の2割前後を占める補修用売上は安定的で収益貢献度が高い。現在は日米中心から欧州、アジアへグローバル展開を加速するとともに、OEMディスクブレーキパットの世界シェアを3割へ伸ばし市場で不可欠な存在になることに注力する。
下方修正の可能性から、投資評価はやや引き下げ
最大顧客GM向けや日産自動車(7201、以下日産)向けで受注が北米や中国などの地域で豊富であり、北米生産混乱収束とともに収益の大幅改善が期待されるため、株価は大底値圏にあると考える。 ただし、新たな機械トラブル発生などから北米収益回復は従来想定より遅れるもようで、16/3期会社計画下方修正の可能性が否めず、このことが当面株価の重石となる。 以上をふまえると、投資評価は依然として高いもののやや引き下げといえる。
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