ニトリの株はお値段以上か
都市への人口流入を受け、東京23区内に出店を進める
1967年に札幌市で似鳥家具店を創業。1972年、似鳥家具卸センター株式会社を設立。2010年 に持株会社制に移行し、現法人を設立。家具・インテリア販売チェーン「ニトリ」を全国展開する。2007年、台湾出店で海外にも進出。家具販売業界で国内首位。1989年、札幌証券取 引所に上場。2002年に東京証券取引所第1部に上場。総資産4,047億円(2015年2月期末)。
家具・インテリア販売にSPA手法を取り入れ、海外で集中生産した家具を主に日本国内で販売する。 また契約工場以外にインドネシア・ベトナムと2か所の自社工場を持つと共に、海外と国内にそれぞれ 配送センターを設けて物流も自社でコントロール。「製造物流小売業」を標榜する。「お、ねだん以上」のコピーで価格に対する品質の高さをアピールしつつ、低価格の家具を主力商 品とすることで、デフレ経済下において急成長を実現。特にリーマンショック後、商品を8回値下げした。 主力のホームファニシングストア業態「ニトリ」は20万から40万規模の商圏に出店しており、主に郊外の感染道路沿いに立地している。ソファ、ダイニングテーブル、食器棚、ベッドなど大型家具は、コーディネートシリーズ別に住まいをイメージしやすいモデルルーム形式で展示している。またカートン、カーペット、食器、家庭用品などインテリア用品は色・柄・素材を合わせてコーディネートできる商品を企画し揃えている。標準的な売り場面積は4,000 ㎡程度。近年は都市への人口流入が増えているため、東京23区内に「ニトリ」業態の出店を進めており、15年4月にプランタン銀座、5月に亀有駅前など数店の出店を計画している。都心出店に併せて、価格帯を高めてブランド向上と客層の拡大を狙い、クッションやインテリアフラワー、照明など上質なインテリアアクセサリーの新ブランド「NITORI QUALITY LINE」を展開を開始している。
16/2期 第1四半期は]
16/2期1Q業績は、売上高1,192億円(前年同期比+1.7%)、営業利益208億円(同-5.3%)、純利益118億円(同-1.3%)と増収減益。消費増税の駆込み需要の反動減で3月(2/21-3/20)の既存店売上高は同-18.1%、4月(3/21-4/20)は同-8.8%と家具を中心に落ち込んだ。しかし影響の無くなった5月(4/21-5/20)は天候とゴールデンウィークの曜日並びに恵まれ、ベットフレームやマットレスが好調で既存店売上高は同+17.7%。人件費と物流コストの増加で減益。1Q出退店は「ニトリ」が出店4、「デコホーム」が出店5退店1、中国が出店1で純増9店。4月に百貨店内に初めて出店したプランタン銀座店、また「デコホーム」で浅草に出店するなど都心部に出店、併せて価格帯を高めてブランド向上と客層の拡大を狙い、クッションなど雑貨類の新ブランド「NITORI QUALITY LINE」の展開開始。
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